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地域社会の現実


■地域社会の現実
  東京都 S

 「ああ、また始まった」と思う。ご主人が休みになる土曜日には決まってと言っていいくらい隣家から奥さんの怒鳴り声が聞こえてくる。何が原因か知らないが、日頃のいらいらをご主人にぶっつけているようだ。時折、窓を荒々しく開け閉めする激しい音もする。二人いる娘さんの「やめて!」という声も聞こえる。これでは休みの日にも子どもやご主人は気が休まらないのではないかと思う。

 そんなやり取りは聞きたくないが、隣家だから否応なく聞こえてしまう。我が家にも中高の二人の息子がいるが、もう慣れっこになってしまった。どこか適当なところに越したいとも思うが、居を構えてしまうとそうもいかない。

 土曜日にも子どもたちが学校に行っている時はまだ良かったが、4月からは完全週休2日になったので、子どもたちは朝から家にいることになる。こういう家庭環境の中で育つ子どもたちへの影響を心配してしまう。隣家の娘さんは二人とも痩せ過ぎでひ弱な感じがする。会った時に挨拶の声をかけても、目を伏せがちにして通り過ぎてしまう。家庭の様子が影響しているのではないかと思う。

 しかし、隣とはいえ、よそ様の家庭においそれと口を出すわけにもいかない。「地域の協力」が大事とは言っても、現実にははそんな小さなことも難しい。




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