大切なのは、お話をしてもらうこと
(1)大切なのは、お話をしてもらうこと
「こんにちは。家庭児童相談室ですア」
私たちの相談は、このセリフからスタートします。つまり、このフレーズには、「これから相談を聞くぞ!」という、すばらしい気合が入っているわけで、私がとても大切にしているものです。
この相談室は名前の通り、「家庭」と「児童」の相談を聞かせて頂いているところです。
「子どもが5才になってもおしっこが一人でできないんです。」
とか
「幼稚園や習い事に行きたがらないんですけど、無理にでも行かせた方がいいんでしようか。」
などなど。しかし時には
「安産祈願で効果のある神社を教えて下さい。」
とか
「(世紀末に)……私、世界を救うことができるんですけど、どこにお話すればいいんでしようか……?」
などの相談にも、笑顔でお応えしております。
名づけて、『よろずや相談室です!』
さてさて、そんな「よろずや相談員」の私はなんと、子どもはいないし、け、結婚もしてはいません! そんな奴が相談なんか受けていいのか!とお感じの方は多数いらっしやるかと思いますが、大切なのは相談して下さるかたの力になりたい!という熱い「心」だと思っております。
相談で一番大切だと思っているのは「お話をしてもらうこと」です。簡単そうで実はこれがとても難しい。しかし逆に言ってしまえば、これがすべてであることが多い(もちろん例外はいっぱいありますが)。最近では核家族化がすすみ、家で子育て中のお母様方は、話し相手さえいない状況のなかで、お子さんと毎日毎日格闘しているわけです。それで気持ちのはけぐちがなくなりついには…と、お子さんに手をあげてしまうかたもいらっしやるのではないでしようか。
子どもがしばらく泣くことをせずにがんばっていると、急にたいしたことでなくとも大泣きしたりすることがあります。きっと「涙がたまってたのね」。
言葉も同じだと思うのです。誰とも話さない、話せない状況が続くとたまってしまう。相談室でそれをたくさんはきだすと、それだけで問題解決できる場合が本当にたくさんあるんですよね。特にこちらの適切な助言などなくとも、『自己治癒力』でなんとかなってしまう。
これは、子育てをしている方に限ったことではないと思います。高校生の長電話も、おばさまがたの井戸端会議も、ちやんと意味のあるものだったんですア
たかがおしやべり、されどおしやべりというわけで、日常生活の中でも大切にしていきたいですね!