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『ニコラ』って何?


『ニコラ』という雑誌が、どんな子どもでも幸せであるように少しでも貢献したいとの願いを込めて1995年6月に創刊されました。

教育雑誌『ニコラ』の題名は、フランスの子どもの物語“Le petit Nicolas”(日本名『わんぱくニコラ』文春文庫)ら借用しました。子どもが子どもとして子どもの世界を存分に生きられた時代のどこにでもいるような子どもたち、それが描かれているのがニコラの物語です。また、「ニコラ」とはサンタクロースの起源とされる人物の一人、聖ニコラウスにちなみ、子どもたちに「しあわせ」をもたらす守護神の意味も併せて持たせています。(現在、文春文庫の『わんぱくニコラ』T・U巻は絶版だと思います。かわって、偕成社から『プチ・ニコラ』1〜5巻が出ています。ご関心のある方はそちらをお読みください。)

よく、『ニコラ』という雑誌の題名から、「何か宗教と関係があるのですか?」という質問を受けることがあります。実は、この質問は大変難しい問題を含んでいます。そもそも子どもがささやかな夢としているサンタクロースさえ宗教と無関係ではないからです。そして、無宗教と言われる一般の日本人さえ見方を変えれば随分宗教的な考え方をしているからです。
よく「私たちは宗教や政治とは一切関係がありません」という言い方をして、特定の利害やイデオロギーには拠っていないことを表明するわけですが、そういう意味では教育雑誌『ニコラ』もまたそのように言うことができます。でも、それは正しい言い方だとは思いません。むしろ、「特定の考え方をしていません。しかし、すべての宗教や政治に関係しているとも言えます」と答えるべきなのではないかと思います。個人がどんな宗教を信仰していようといまいと、どんな政治的主義主張を持っていようといまいと、すべてがOKだと思うからです。偏狭な考え方に捉われることこそ、私たちは避けたいと思っています。
ただ一つ条件があるとすれば、子どもの幸せを心から願う方々が参加してほしいということだけです。

『ニコラ』創刊号の巻頭には、次のような「覚え書き」が載っています。

ニコラは わんぱくなこども
こどもの世界を 存分に生きている
あたりまえの こども
いつしか
原っぱが消え 路地が消え
こどもたちの歓声が消え
そして ニコラもいなくなってしまった…
ニコラを さがそう
こどもたちに 心の原っぱや路地
あたりまえの生き方がもどるとき
ニコラは きっと帰ってくる
「子どもの世界」を奪ったのは誰なのでしょう。何を代償にしてそれを子どもたちから奪い取ったのでしょうか。
子どもたちから夢や希望や未来を奪うほど、それは価値のあるものだったのでしょうか。
私たちの一人ひとりが今一度自分の手を見つめてみたいものです。
私たちは何をやってきたのか…と。



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