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教育の階層化を憂える


2002/10/20
教育の階層化を憂える

新学習指導要領に基づく週5日制の「ゆとり」の学校教育が始まりましたが、今頃になって文科省の施策が何ら具体的な調査資料等の裏づけがあって採られたものではないことがだんだん明らかになってきています。

「学力低下」などの教育論議も様々に交錯していて、これが決定的というものがないようです。そういう中でだんだん露呈してきた問題が「教育の階層化」というものです。

両親の職業や文化的知的背景、経済的基盤、家庭環境などが子どもの学力やその開花に大きく影響しているというのです。言い換えれば、子どもの能力の如何が子どもの「自己責任」とか「自己決定権」というもっともらしいすり替えの言説では済まされないということです。

実は、このことは前から指摘されていたことです。かつて「日本は同一性の社会だ」とか「一億総中流化」ということが言われていましたが、今や幻想に過ぎなかったことが明らかになっています。社会の階層化が厳然として存在していたということです。そして、子どもの学力と言われるものも、この現実の枠組みにしっかりと条件付けられていたということです。

そこで今、問題なのは、それに対して公教育というものがどう関わるのか、ということです。現在、導入が進みつつある「習熟度別指導」が、この階層化の矛盾を解消する方向に向かうどころか、ますます固定化し拡大することに手を貸すことになるのではないか、ということです。果たして、それは「公教育」と言えるのでしょうか。




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