トップへ
トップへ
戻る
戻る


ドラマチックファミリー


66
『ドラマチック・ファミリー』  富田 富士也 著 ハート出版社(1,100円+税)

私たちは家族の中で生まれ、家族の中で育つ。家族は人が生活を営む基本的な単位であることは間違いない。

しかし、家族って何だろう?と改めて問われると、以外に難しい。家族の数ほど家族の様態があるとも言えるからだ。ともすると、理想的な家族を思い描きがちだが、そんなものは実際はどこにもない。

本書の著者・富田富士也氏はは教育カウンセラーとして著名な方である。では、そこには人が模範とするような理想的な家庭が存在するか。それは否である。逆に家庭とは、「普通の人間」が普通に生き、普通に生活している場であることを納得させてくれる。著者もまたその一員に過ぎない。

しかし、家族とは何といいものだろう。家族といえども、一人ひとりそれぞれの個性があり、考えも行動の仕方も違う。煩わしさもある。諍いもある。それでも家族は逃げない。何故か。それは互いに「思いやる心」があるからである。これらを称して、著者は「せめぎ合って、おり合って、お互いさま」と言う。

人は家族の中で人として育つのだということを改めて納得させてくれる一冊である。


トップへ
トップへ
戻る
戻る