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履き違えた英語指導


■履き違えた英語指導
埼玉県 H

 高校に進学した息子が「英語が大変だ」と言い出しました。中学校で英語がまるで身に付いていない、他の中学から来た生徒との差に愕然としたと言うのです。

 中学の父兄参観で息子のクラスの英語の授業を見学したことがありましたが、ビートルズのレコードをかけて聞かせながら生きた英語を身に付けさせるというものでした。その英語の先生は県の英語弁論大会の審査員も務めている人で、新しい英語の授業に熱心なように見えました。その時は私が中学校の頃とは随分変わったものだと私は思っていました。

 ところが、息子に聞いたところでは、いくつかの英語の歌を聴いたり、ビンゴゲームなどで授業を進めるもので、ほとんど文法らしい文法は教わらず、中学時代に必要な読解力を身に付けるような学習もあまりなかったと言うのです。

 私達が習った頃の英語の授業は「大学生になっても話せない」(私もその一人ですが)ということで、聞き話す実用英語ということが言われるようになり、その方向はとても大事だとは思うのですが(今の若い人たちが自由に会話が出来るのを羨ましく思います)、中学校では基本的な理解をしっかり定着させる指導が一番大事なのではないでしょうか。

 息子は、塾には行かないかわり、学校の授業はしっかり受けるということで真面目に取り組んできたのです。そのせいか、学校での成績は塾に行っていた生徒と変わりない結果を出していたのです。高校に入って初めて他校との違いに気付いたようです。学校の先生の指導を信頼していただけに、何か裏切られたような思いをしているようです。

 新しい指導を取り入れるのは結構ですが、はき違えた指導だけは遠慮してほしいものです。その犠牲になるのは生徒たちなのです。



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